今さら聞けない!WEBサイトとスマホアプリの違いって?
「WEBサイト」と「スマホアプリ」の違いをご存じでしょうか。違いがよく分からない、どう使い分けて良いか分からない、という声もよく聞きます。
一見これらは似ていますが、特徴や機能をよく見比べてみると、それぞれのメリット・デメリットがあり、ターゲットやユーザーに違いがあることも分かってきます。
この記事では「WEBサイトとアプリの違い」「メリット・デメリット」「それぞれの使い分け方」などについて分かりやすくご紹介していきます。
WEBサイトと
スマホアプリの違い
WEBサイトとスマホアプリ(以下アプリ)の違いについて、それぞれの特徴や、具体的にどんなことが違うのか、ご紹介してきます。
利用環境の違い
WEBサイトとアプリの一番の違いは利用するために「インストールが必要かどうか」という点です。
アプリとは「アプリケーション」の略で、ユーザーがアプリを利用するにはまずインストールが必要です。インストールするとアプリのアイコンがスマートフォンのホーム画面上に表示されますので、起動する際はアイコンをタップしてアプリ内の様々なコンテンツを利用します。
一方、WEBサイトはブラウザ上で表示・閲覧するもので、ブログやホームページなどのように1つ1つURLを持っています。アプリのようにインストールする必要が無いので誰でも見に行くことができます。
アプリはダウンロードが必要であるという特性上、いつでも閲覧できるWEBサイトに比べるとハードルが高いということになります。アプリは新規客を広く呼び込むというものではなく、一度来店・インストールをしてくれた顧客にアプリを通じてクーポンや店舗の最新情報を提供し、顧客を常連客へと育てていくツールです。
公開プロセスの違い
公開するまでのプロセスにも違いがあります。
WEBサイトの場合はホームページ屋さんがデザインを作ってインターネット上にアップをすればすぐに公開・閲覧ができるようになりますが、アプリの場合はGooglePlayやAppStoreといった”アプリストア”にアプリを掲載してもらう、そして掲載されるには両社の審査に通過するというプロセスを踏む必要が出てきます。
また、WEBサイトとアプリでは、修正をする際のプロセスも同様に、WEBサイトは比較的リアルタイムで更新ができる反面、アプリでは(特にAppStoreでは)アップデートの度に申請・審査といったステップを踏む必要があります。
この審査には各社数日〜数週間の時間を要することがあります。また、審査の前の段階では、デモアプリなどを使って何度もテスト運行を行いますし、WEBサイトのように完成したからといってすぐ誰もが見られる状態になるわけではありません。
機能面の違い
WEBサイトとアプリでは、機能の面でも違いがあります。
「プッシュ通知が送れる機能」「クーポン機能」「お知らせ機能」などがアプリの最大の特徴です。お店の希望するタイミングで、顧客に対してクーポンや商品情報を提供できるのです。
日本はよく「ポイントサービス大国」と呼ばれたりしますが、ヨドバシカメラの「ゴールドポイントサービス」を筆頭に、購入した金額に応じたポイント還元という文化が根付いており、これは日本特有のものと言われています。
購入後に後から還元する「ポイント・スタンプ機能」、購入時にその場で還元をする「クーポン機能」、全く逆のアプローチではあるものの、どちらも来店や購入の動機付けをするものとして、小売業やサービス業のお客様からは重宝されるアプリ機能です。
WEBサイトでも、ログインをすれば購入履歴やポイントが使えるといった会員機能を持ったECサイトは多く存在しますが、アプリなら「会員登録不要で」同様の会員機能が使えるので、提供・登録しなければならない個人データの量で比べても違いが分かるかと思います。
ターゲットの違い
ターゲットにもアプリとWEBサイトでは明確な違いがあります。
WEBサイトは上述したように、誰もが見れるものですので、来店前にお店のホームページを見ることで内装を見てみたり、気に入るメニューがあるかどうか事前にチェックしたり…といった新規客獲得のツールとして使うことができます。
アプリは来店してくださったお客様に対してダウンロードしていただくものですので、クーポン配信などで当日あるいは次回以降の再来店につなげたり、既存顧客のロイヤリティを向上させるツールとして使うことができます。
WEBは「お客様が閲覧しに来るのを待つもの」ですのでPull(プル)型の活用、アプリはクーポンやプッシュ通知など、言葉の通りPush(プッシュ)型の要素があり、Pull&Push型すなわち、攻めも待ちも可能なツールと言えます。
ザイオンス効果の違い
アプリはWEBサイトと違ってインストールするとスマホのホーム画面にアイコンが表示されます。毎日開くスマホの画面にアプリのアイコンがあれば、毎日ブランドのロゴを見ることになります。
「いつも会社に行く途中で毎日特定の看板の前を通りかかる」とか「窓を開けると目の前に馴染みの飲食店の看板が見える」という状況でない限り、自店の看板やシンボルを毎日見てもらえる状況を作り出すのは難しいです。アプリのアイコンならスマホを開くだけで、毎日お店の存在を思い出してもらえます。
ザイオンス効果とは、別名「単純接触効果」とも呼ばれています。 相手に何度も繰り返し接触することによって、だんだん親近感がわいてきたり、好感度や評価などが高まっていくという効果です。アプリのアイコンにはこのザイオンス効果が期待できます。
WEBサイトの場合もブックマークをホーム画面に追加すれば、近い状況を作ることはできますが、アプリのアイコンではないため、自店のロゴマークが表示されたり、未読を知らせるバッジがついたりすることはありません。
メリット・デメリット
上記のような特徴を踏まえて、WEBサイトやアプリのメリット・デメリットをそれぞれ詳しく説明していきます。
WEBサイト | アプリ | |
---|---|---|
メリット | ・システム更新・反映がリアルタイムに出来る ・ダウンロード不要でいつでも、誰でも見ることができる ・スマホやPCなど環境を問わず利用できる | ・クーポンやスタンプ・ポイントなどの顧客満足度を高める機能が使える。 ・プッシュ通知によりお店の好きなタイミングで顧客へのアプローチが出来る ・ホーム画面にアイコン表示でザイオンス効果が期待できる |
デメリット | ・プッシュ通知のような動的な機能が無い ・アイコン機能が無く、ブラウザを閉じたら見えなくなる | ・アプリストアへの申請・審査が必要になるためシステム更新・反映に時間がかかる ・インストールが必要。誰でも見れるWEBサイトに比べるとややハードルが高い |
WEBサイトやアプリというデジタルコンテンツに共通しているのは「作って終わり」ではないことです。
WEBサイトならたくさんの人に訪問してもらえるように、また他のサイトよりも優位に表示されるためにSEO対策や、質の高いブログやコンテンツの更新が必要になります。アプリにもASOというSEOのような概念があり、いかに多くのユーザーにインストールしてもらうか工夫したり、店員さんたちによる接客現場でのご案内や、クーポンやお知らせの配信頻度・運用オペレーションもカギとなります。
費用感・相場についてはどちらも”ピンキリ”ですので、どちらの方が高い、安いとは一概には言えませんが、技術者がWEBサイトの方が多く、今では無料でWEBサイトが作れるサービスが普及している点から考えると、デザイナーやシステム屋に外注しなくても無料かつ自分で作れる点では、アプリよりWEBサイトの方がコストの下限は安い(0円~)と言えます。
WEBサイトとスマホアプリの使い分け
各ツールの特徴やメリット・デメリットは分かってきましたが、お店はそれぞれどのように使い分けていけば良いのでしょうか?改めて各ツールの使い分け方についてご説明いたします。
誰に向けたコンテンツなのか
アプリをダウンロードしてくれているユーザーは、一度は来店したことがある、お店の情報にある程度興味がある、ブランドや商品に関して関心や理解がある、といった属性があります。
一方、WEBサイトを閲覧している人々の中には、来店経験のある人=既存客もいれば、一度も来店したことが無い人=見込み客も含まれます。
WEBサイトは「新規顧客またはライトユーザー獲得向け」、アプリは「リピーター育成向け」と言い換えることができ、ターゲットが明確に異なります。各ツールを使い分けるポイントとして「誰に届けたいコンテンツなのか」が重要になります。
WEBサイトに適したコンテンツ
ブログや本記事のようなコラム、スタッフ募集の求人情報、その他更新頻度の高いコンテンツはWEBサイトへの掲載が適しています。
WEBサイトが検索上位に表示されるには更新頻度が1つの要素です。2014年5月にGoogleが「更新頻度よりも品質を重視する」という発表をしていますので、頻度に加えて一定以上の質も重要な要素となります。
かえって、アプリでブログやコラムのようなコンテンツを高頻度でアップしてしまうと「通知が鬱陶しい」という理由からアプリをアンインストールや、ユーザーの離脱といったことに繋がりかねないので、更新頻度や内容には注意が必要です。
アプリに適したコンテンツ
クーポン配信やポイント2倍キャンペーンのようなお得な情報はアプリへの掲載が適しています。
お会計から◎◎%OFF、トッピング無料、ポイント●●倍、施術△△分延長、といった、クーポンやキャンペーンのお知らせは、来店や売上に直結します。また、お店側にとってもキャンペーンを実施するからには、開封率やクーポン使用数などのように顧客からの反響が知りたい、そして次回の販促・戦略に活かしたいはずです。
研美社(当社)で作ることができるアプリもそうですが、一般的にほとんどのアプリでこういった集計・分析機能が備わっているため、顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指すコンテンツについては、アプリでの発信が適しています。
おわりに
WEBサイトやアプリは集客やマーケティングのツールとして非常に効果的です。その機能を最大限に発揮するためにも、各チャネルの特徴やターゲット、メリット・デメリットを把握しておきましょう。
重要なのは、WEBサイトにしてもアプリにしても、目的をはっきりさせておくことです。
アプリの場合は顧客満足度を上げる、顧客の動向を分析する、顧客を育てるプロセス(これらを総称して”CRM=顧客関係管理”と言います)といった目的で利用されることが多いですが、そのためには必要なコンテンツ、配信頻度も変わってきます。
また、アプリさえあればWEBサイトは不要、という訳でもありません。新規顧客獲得なのか、CRMなのか、目的をはっきりさせたうえで、それに応じたツールを使い分けるようにしましょう。
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